“The Best Doctors in Japan 2020-2021”に選ばれた 心臓手術の第一人者 渡邊先生に インタビューさせて頂きました。
心臓手術の世界的権威である ニューハート・ワタナベ国際病院の渡邊先生にインタビューさせて頂きました。
渡邊 剛(わたなべ ごう) 経歴:平成元年、金沢大学大学院を修了、金沢大学第一外科に入局。平成15年、41歳で金沢大学第一外科の教授に就任。平成17年から平成23年6月まで、国立大学医学部の教授では初めて「兼任」教授として東京医科大学の心臓外科教授として就任する。平成27年5月、ニューハート・ワタナベ国際病院を開設、総長に就任する。
まずきっかけは、高校生の時に手塚治虫先生のブラック・ジャックに出会ったことです。これを読んで、純粋に外科医になりたいと思いました。金沢大学卒業後東京に戻ることも考えましたが、当時の金沢大学第一外科は不整脈外科のメッカの病院として全国から多数の患者さんが来ていたので、新しい外科治療に興味を持ちそのまま金沢にのこりました。その後ドイツに2年半留学しました。ここで多くの臨床経験を積み富山医薬大で8年間勤め、2000年より金沢大学の第一外科の教授となり戻っていきました。その後15年間勤務後に、ここ浜田山に「ニューハート・ワタナベ国際病院」を開設致しました。
心臓血管外科を中心とした病院ですので、第一に手術成績が良くなくてはいけません。日本の心臓外科のレベルは低く手術死亡率は未だに3%前後と高いものです。我々は手術死亡率を0.5%以下の手術をしてきました。この実績をもとに、「質の高い医療」と、「体に優しい手術を行うこと」を理想としてきました。具体的には手術の傷を小さく、さらに内視鏡などを使った心臓手術を行うことで、出血や痛みもなく早期に社会復帰を目指す最高医療を日本の中心でやっていきたいと思っていました。 2つ目の理念として、「快適な病院」を目指しています。その両者が整った病院はこの日本にはありません。病室は全室個室としてあります。 3つ目は「透明性の高い医療を行う」ことです。ガラス張りの手術室はそのシンボルです。手術室で行われていることはもはや密室の世界ではなく、患者様のご家族にも見てもらえるよう、手術中の様子だけでなく手術場の中を全て見ていただけるようになっています。
手術用の内視鏡ロボット(ダ・ヴィンチ)の登場でしょう。1999年に米国のIntuitive surgical社が発売を開始した器械です。3D内視鏡と遠隔操作のできる手術器具が備わり、小さな穴をいくつかあけるだけで、胸やお腹を大きく切って行わなくとも済むようになりました。また手ぶれ防止装置や拡大、縮小も思いのままに操れるので体の奥の方の細かい手術が可能になりました。心臓の1ミリに血管同士もつなげられます。この器械ダ・ヴィンチの登場により外科の世界は変わっていきます。心臓にも2018年4月に保険が適応されて僧帽弁膜症にも保険でダ・ヴィンチ手術が出来るようになりましてニューハート・ワタナベ国際病院にも年間200人ほどの患者さんが手術をお受けにいらっしゃいます。
日本では心臓手術の件数に対して心臓外科医も病院数も欧米に比べて多いことが挙げられます。心臓手術5万件に対して心臓外科施設は500件、心臓外科医は3千人近くいます。これでは一人の医師が実際に手術する件数はどんどん少なくなります。年間手術件数の少ないところで心臓外科を開設しても、患者さんにとっても外科医にとっても病院経営の点からも幸福ではありません。手術の集約化が最も必要なことなのです。
当院には心臓手術外来を受けに多くの患者さんが全国からいらっしゃいます。それは傷の小さい手術なので心臓手術を受けた後でも5日~10日前後で電車や飛行機に乗って地元に帰れることと、今までかかっていた病院の手術成績に不安を持っていたり、医師の態度がいやだったり、1人の医師の意見だけではなかなか手術に踏み切れなかったりするのが理由です。心臓病に苦しみ、治療に不安をもっていらっしゃる患者さんやご家族にはセカンドオピニオンを受けることをためらわずその一部でもお手伝いできれば嬉しく思います。
ニューハート・ワタナベ国際病院 〒168-0065 東京都杉並区浜田山3丁目19−11 TEL 03-3311-1119 FAX 03-3311-3119 https://newheart.jp/